京都大学名誉教授
公益社団法人 京都保健会 社会健康医学福祉研究所長
公益社団法人 京都保健会 社会健康医学福祉研究所長
小泉 昭夫
藤原記念財団は、アリナミンの発見と開発への藤原元典先生の貢献に対する武田薬品(旧)の対価の一部をもって設立されました。藤原先生は1915年のお生まれで、1940年に京都大学医学部を卒業され、その後海軍に入隊されました。1945年12月には京都大学医学部衛生学講座で研究に復帰。後にビタミンB1の研究を大きく発展させることになります。1959年には日本学士院賞を受賞され、同年に京都大学教授、衛生学教室を主宰。1979年3月に退職されました。
藤原先生より少し後輩の京都大学名誉教授故佐野晴洋先生(京都大学医学部公衆衛生学教授、同学部長、滋賀医科大学学長)は、本財団の前々理事長でもあり、藤原先生との親交も深く、直接藤原先生から財団の設立の相談も受けた方でした。その佐野先生から、私がお聞きしたのは、藤原先生が戦後に研究を開始された時の貧困劣悪な研究環境や、5年の軍隊入隊による時間のロスによる研究の開始の遅れ、戦前から戦後直後の日本が国際的に鎖国状態にあったことなどへの苦い経験から、伸び盛りの若手の研究者を支援したいという財団に寄せる藤原先生の強い思いでした。
藤原先生の思いを継承し、本財団では、基礎医学・臨床・社会医学にとどまらず関連する生物医学、看護やリハビリを含む健康医学等の幅広い研究領域に従事する京都大学医学研究科の大学院生を含む若手の研究者を支援します。
審査は厳正に公平・公正に行われます。
皆さんの積極的な応募を期待しております。